株式等の譲渡所得は、「投資家自らが株式等の譲渡所得等の金額を計算して、確定申告を行って納税する」のが原則ですが、この手続きを軽減するために設けられた制度が「特定口座」です。
特定口座のしくみ
「特定口座」とは、証券会社等の金融機関がお客さまに代わって、上場株式等(現物、ETF、REIT)、公募株式投資信託(国内・外国)、特定公社債等の「取得価格の管理」や「譲渡損益、償還損益、配当金、分配金、利子の計算」等の税制上必要な管理を行う口座です。
※特定公社債等とは、特定公社債、公募公社債投資信託などをいいます。
※特定公社債とは、国債、地方債、外国国債、公募公社債、上場公社債、平成27年度以前に発行された公社債(同族会社が発行した社債を除きます。)などの一定の公社債をいいます。
「源泉徴収あり口座」の場合、譲渡益、償還益に対して20.315%の税額が源泉徴収されますので、確定申告が不要となります。また、配当、分配金、利子等(以下配当等)を計算し、特定口座内の年間の譲渡損益が損失の場合、損益通算され、配当等から差し引かれた源泉税額が還付されます。
ただし、他の口座での譲渡損益や償還損益と相殺する場合や上場株式等、公募株式投資信託、特定公社債等に係る譲渡損失を繰越控除する特例の適用を受ける場合には、確定申告をする必要があります。
特定口座の種類
特定口座には「源泉徴収口座」と「簡易申告口座」があります。
特定口座の開設時に、「源泉徴収口座」または「簡易申告口座」のいずれかを選択します(年最初のご売却以後、年途中での変更はできません)。
特定口座以外の口座を一般口座(従来の口座)といいます。
源泉徴収口座(源泉徴収あり)
池田泉州TT証券が源泉徴収を行い納税いたしますので、お客さまが税務署等へ確定申告をする必要がなくなります(必要に応じて申告することもできます)。
平成22年1月より配当等の受入れが可能となり、平成28年1月より特定公社債等の受入れが可能となりました。
上場株式等、公募株式投資信託、特定公社債等の譲渡損益、償還損益、配当金、分配金、利子等の損益通算が可能となりました。
※国内上場株式等の配当金を特定口座で受け入れるには、別途『株式数比例配分方式』の申込が必要です。
このような方は源泉徴収口座がおすすめです
- 申告するのが面倒なので申告を不要としたい。
- 配偶者控除等に影響するのは避けたい。
- 申告するかどうかは年間の損益を見て考えたい。
源泉徴収口座を選択された場合
- 売却益や償還益が発生した場合は、証券会社が都度、売却益や償還益に対して20.315%(所得税および復興特別所得税15.315%+住民税5%)の源泉徴収を行います。
- 売却損や償還損が発生した場合は、証券会社が都度、その年の譲渡所得から源泉徴収税額を限度に還付いたします。年末の譲渡損益、償還損益が損失となった場合、同年に特定口座へ受入れた配当等と損益通算され、配当等に係る源泉徴収税額が翌年に証券会社等のお客さま口座へ還付されます。
- 源泉徴収税額は1年間分を一括して翌年、証券会社が税務署等に納付いたします。
※復興特別所得税とは、東日本大震災からの復興財源を確保するため、平成25年から平成49年まで(25年間)の各年分の所得税の額に2.1%を乗じた金額が、追加的に課税されるものです。
※源泉徴収および還付は受渡日に行います。
簡易申告口座(源泉徴収なし)
池田泉州TT証券がお送りする特定口座の「年間取引報告書」を確定申告書に添付することにより、簡易に申告の手続きを行うことができます。
一般口座(特定口座ではない従来の口座)
お客さま自身が年間の売却損益等を計算し、税務署所定の書類を記載し確定申告書に添付することにより、申告・納税の手続きを行います。
特定口座のお申し込みに必要なもの
必要書類
特定口座のお申し込みには以下の書類をご提出ください。
- 特定口座開設届出書 兼 特定口座源泉徴収選択届出書(当社所定の用紙)
- 本人確認書類(口座開設には個人番号(マイナンバー)のお届けが必要となります。)
※総合取引申込書で、証券総合取引口座と同時にお手続きいただく場合は、別途ご用意いただく必要はございません。
下記①~③のいづれかの組合せの公的書類が必要となります。
- ① 個人番号カードのみ
- ②-1 通知カード※注1+顔写真あり公的身元確認書類
- ②-2 通知カード※注1+顔写真なし公的身元確認書類+2種類目の公的身元確認書類
- ③-1 住民票の写し(個人番号記載あり)+公的身元確認書類
- ③-2 住民票記載事項証明書(個人番号記載あり)+公的身元確認書類
下記いずれか 一つの 個人番号記載 書類が必要 |
個人番号確認を通知カード※注1で行い、本項目の確認書類が 顔写真なしの場合は、2種類の確認書類が必要 |
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番号確認書類 | 公的身元確認書類 | 2種類目の公的身元確認書類 | ||
① | 個人番号カード(裏面) | 個人番号カード(表面) | ― | |
② | 通知カード※注1 | (顔写真あり) いずれか一つ |
運転免許証 | ― |
運転経歴証明書 | ||||
パスポート※注2 | ||||
在留カード | ||||
特別永住者証明書 | ||||
(顔写真なし) 2種類必要 |
住民票の写し(個人番号の記載なし)または住民票記載事項証明書(個人番号の記載なし)※いずれも原本のみ有効 | 住民票の写し(個人番号の記載なし)または住民票記載事項証明書(個人番号の記載なし)※いずれも原本のみ有効 | ||
印鑑登録証明書 (原本のみ有効) |
印鑑登録証明書 (原本のみ有効) |
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各種国民健康保険証 | 各種国民健康保険証 | |||
各種健康保険証 | 各種健康保険証 | |||
介護保険証 | 介護保険証 | |||
― | 母子健康手帳 | |||
③ | 住民票の写し (個人番号の記載あり) または 住民票記載事項証明書 (個人番号の記載あり) ※いずれも原本のみ有効 |
いずれか一つ | 運転免許証 | ― |
運転経歴証明書 | ||||
パスポート※注2 | ||||
在留カード | ||||
特別永住者証明書 | ||||
印鑑登録証明書 | ||||
各種国民健康保険証 | ||||
各種健康保険証 | ||||
介護保険証 |
※注1 「通知カード」に記載された住所、氏名、個人番号と当社にお届けいただく住所、氏名、個人番号が同じ場合のみご利用いただけます。
※注2 所持人記入欄に住所および氏名の記載があるものに限ります。
※有効期限のあるものは有効期限内のものを、定めがないものについては確認時より6ヶ月以内に作成されたものをご用意ください。
※特定口座の開設は1証券会社につき1口座開設することができます。
※特定口座は無料です。開設にあたり手数料はかかりません。
特定口座に関するご留意点
ご利用になれる有価証券
特定口座をご利用になれる主な有価証券は以下のとおりです。
- 特定公社債等
- 国内上場株式
- 外国の取引所に上場されている株式等
- 公募株式投資信託
- 上場投資信託(不動産投資信託(J-REIT)を含みます。)
- 上場転換社債型新株予約権付社債
- 上場新株予約権付社債
※特定口座における売買損益の計算、税額計算(源泉徴収・還付を含む)は「受渡日」を基準に売買委託手数料を考慮した金額で行います。また、「源泉徴収口座」における配当等の金額の計算、税額の計算(源泉徴収等)は配当金の支払確定日(公募株式投資信託の場合は支払日)を基準に行います。
※特定口座開設後に上場株式等・公募株式投資信託等・特定公社債等を買付ける場合、原則特定口座でのお買付となります。
※特定口座でお買付いただいた株式等は、継続してお預入れいただくことをお勧めしております。一度特定口座から引出された場合は、再度特定口座にお預入れいただくことができません。ただし、特定口座間の移管の場合(他証券等の特定口座への移管、または贈与・相続・遺贈による本人口座以外への移管)は、前述の通りではありません。
※特定口座内で同一銘柄の上場株式等について同日に売却と買付が行われた場合、実際のお取引順序にかかわらず売却がその日の最後に行われたものとみなして取得価額・売却損益の計算を行います。
※外貨建て証券を売買される際に外貨で決済をされる場合、また、「源泉徴収口座」において外国株式の配当金や外国株式投資信託の分配金等を外貨で受取られる場合は、約定日時点や配当課税時点の弊社が定める為替レートで円貨に換算した取得価額・売却代金・配当等金額をもとに譲渡損益や源泉徴収税額を計算します。源泉徴収口座ではお客さまの口座内において円貨で税額の徴収、または還付を行います。
※日本の税法においてその取扱が不明な権利処理等の事由が発生し、特定口座の適正な取得価額の修正や損益計算が困難とされる場合は、特定口座から一般口座へ振替させていただくことがありますのでご了承ください。
※株式等のお取引により生じた申告所得について、配偶者控除等各種扶養控除、国民健康保険料をはじめとする社会保険料等に影響する場合がございます。
※特定口座をお申し込みの際は、『特定口座に係る上場株式等保管委託および上場株式等信用取引約款』を必ずご覧ください。特定口座のお申し込み、国内株式投資信託の特定口座への預入れ制度のご利用についての最終的な判断は、お客さま自身で決定くださいますようお願いいたします。
※特定口座の制度および取り扱いは、将来法令や通達等の改正により変更となる場合があります。
※当ページの掲載内容は、平成28年1月現在の税制・当社ルール等をもとに特定口座に係る一般的な仕組について説明したものであり、内容については将来の税制改正等により、変更となる場合がございます。
※特定口座の設定・組入、口座内での売買はお客さまの責任と判断によりおこなっていただきますようお願いいたします。